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リモートワーク企業でも「経験者19.5%」。ワーケーションの壁と今後

2022/08/02 Tuesday
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コロナ禍でリモートワークが広がったこともあり、一気に注目が高まった「ワーケーション」(ワーク+バケーション)という新しい働き方。

本記事では、ワーケーションの定義や具体的な働き方をはじめ、フルリモートワーク歴8年の株式会社キャスターの社内調査をもとにしたワーケーションのメリットやデメリットなどを紹介し、ワーケーション事情のリアルをお伝えします。

目次

ワーケーションにも種類がある?

ワーク+バケーションという語源から「旅先で仕事をする」ようなイメージが強い「ワーケーション」ですが、観光庁では以下のように定義されています。

Work(仕事)とVacation(休暇)を組み合わせた造語。テレワーク等を活用し、リゾート地や温泉地、国立公園等、普段の職場とは異なる場所で余暇を楽しみつつ仕事を行うことです。

(※引用):「新たな旅のスタイル」ワーケーション&ブレジャー|観光庁
https://www.mlit.go.jp/kankocho/workation-bleisure/

また、観光庁ではワーケーションを「休暇型」と「業務型」に分類しているようです。休暇型は「旅先で仕事をする」イメージに近く、有給休暇を利用してリゾートや観光地で仕事をする福利厚生型。業務型には、地域課題解決型・合宿型・サテライトオフィス型などさまざまな実施形態が考えられています。

つまり、一言にワーケーションと言っても、実際にはさまざまな働き方があり得るということ。
特に、業務型ワーケーションの場合はどの部分をバケーションに当たる「休暇」や「余暇」とするのか、企業や個人によって認識の違いが出てきそうです。

ワーケーションのメリット。「リフレッシュできる」が75%超

ワーケーションがこれほど注目されるのには、何かしらのメリットがあるからと言えます。2014年よりフルリモートワーク経営をする株式会社キャスターでメンバー442名を対象に「ワーケーションに関する意識調査」を実施したところ、ワーケーションのメリットとして以下のような項目が挙がりました。

(※引用:株式会社キャスター「ワーケーションに関する意識調査」)

「リフレッシュできる」という回答が75%を超え、他にも「仕事のモチベーションが上がる」「仕事にメリハリが生まれる」「週末や休日と繋げるなど長期休暇を取りやすい」の回答が3割を超えました。

観光庁が挙げる従業員にとってのワーケーションのメリットとも近しい内容になっています。

<ワーケーションの導入メリット:従業員>

  • 働き方の選択肢の増加
  • ストレス軽減やリフレッシュ効果
  • モチベーションの向上
  • チームワークの促進
  • 長期休暇が取得しやすくなる
  • 新たな出会いやアイデアの創出
  • 業務効率の向上

(※)※引用:「新たな旅のスタイル」ワーケーション&ブレジャー|観光庁
https://www.mlit.go.jp/kankocho/workation-bleisure/

上記は働き手にとってのメリットですが、働き手のポジティブな反応は結果的に企業側のメリットにも繋がります。たとえば、リフレッシュしたり、働くモチベーションが上がることで、仕事の質や生産性が向上することは企業にとってメリットです。また、ワーケーションという働き方の選択肢を増やすことで人材の採用や流出抑制に寄与する可能性もあります。

さらに、ワーケーションの形態によっては地域に旅行・観光の需要を生み出したり、地方での事業や雇用を創出するなど、CSRや地方創生の側面から企業ブランディングの向上に繋がるとも言えます。

<ワーケーションの導入メリット:企業>

  • 仕事の質の向上、イノベーションの創出
  • 帰属意識の向上
  • 人材の確保、人材流出の抑制
  • 有給休暇の取得促進
  • CSR、SDGsの取り組みによる企業価値の向上
  • 地域との関係性構築によるBCP対策
  • 地方創生への寄与

(※)※引用:「新たな旅のスタイル」ワーケーション&ブレジャー|観光庁
https://www.mlit.go.jp/kankocho/workation-bleisure/

ワーケーションのデメリット。インターネットの確保が課題

とはいえ、メリットがあれば、デメリットも考えられます。キャスター社の「ワーケーションに関する意識調査」では、以下のようなデメリットが挙がりました。

(※引用:株式会社キャスター「ワーケーションに関する意識調査」)

最も多かったのが「インターネット環境を確保しづらい」という回答。初めて訪れる場所は到着するまで実際のインターネット環境が分からず、不安を感じている人も多いようです。

また、「セキュリティ環境に不安がある」の回答も26%を超えました。具体的には、パソコンの覗き込みによる情報流出の懸念や、トイレなどで席を立つ際に仕事道具を置いて離れられないことなど、気を回さなければならないポイントが目立ちました。

その他の回答では、仕事がしやすいデスクや椅子など業務環境を整えることが難しいなどの回答も複数見られます。

「特にデメリットは感じない」という回答も2割を超えますが、これはあくまで働き手にとっての場合。企業としては、業務環境やセキュリティ面はもちろん、業務型ワーケーションの場合には宿泊費や交通費などのコスト面も論点になりそうです。

ワーケーションの現状。経験者はわずか19.5%

リモートワーク歴8年のキャスター社でも、実際にワーケーションを経験したことがある人はわずか19.5%という結果になりました。

(※引用:株式会社キャスター「ワーケーションに関する意識調査」)

さらに、「どこでも好きな場所でワーケーションができるとしたらどこを選びますか?(ワーケーション予算が十分あると仮定して考えてみてください)」という質問に対して、「ワーケーションはしない」の回答が16%を超えたことも意外な結果です。

(※引用:株式会社キャスター「ワーケーションに関する意識調査」)

世の中では「ワーケーション=リゾートで悠々自適に仕事をする」というイメージもあるかもしれませんが、実際にはさまざまな理由からワーケーションをすることは容易ではなく、誰もが求めている働き方とも言えないことが分かります。

海外向けワーケーションビザも。今後の期待

とはいえ、ワーケーションの動きは海外でも見られ、なかにはインバウンド需要を見込んで「ワーケーションビザ」を発行している国もあります。ワーケーションビザとは、ワーケーションをする人のために提供される長期滞在者向けビザのこと。発行条件や滞在可能期間は国によって異なりますが、たとえばドバイなど1年間の長期滞在が可能な国もあるようです。

また、日本でもGo Toトラベル事業に1.3兆円の予算が組まれたことが話題になりました。最近は、観光庁が企業のワーケーションを推進していたり、自治体によってはワーケーションの誘致活動も盛んに行われています。

コロナの状況次第ではありますが、活用次第ではさまざまな側面から期待もできそうなワーケーション。企業が導入する際には、メリット・デメリットを踏まえ、目的や業務内容、職種によって最適な形で実施できる工夫が必要です。

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