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変わるBtoBマーケ。オフライン営業から「ストック型コンテンツ」へ

2022/12/22 Thursday
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BtoBにおける「営業活動」といえば、顧客と対面で話し、信頼関係の醸成と並行してサービス理解を促すことにより購買意欲を高めていくもの──という考え方は、すでに古い価値観となりつつあります。

今私たち企業に求められるのは、旧来型の『刈り取り・オフライン・営業主導』の手法ではなく、より現代の時流に合ったマーケティング活動です。
では、現代に合ったマーケティング活動とはどのようなものなのか?そのヒントは、「ストック型コンテンツ」にあります。

今回はストック型コンテンツの重要性と、ホットリードが獲得できるコンテンツの作り方についてお伝えします。

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急速に変化するBtoBマーケティングの手法・環境

営業前に購買の意思は半分以上固まっている?

昨今、世の中のBtoBマーケティング手法は「刈り取り・オフライン・営業主導」から「ストック型コンテンツ」へと変化しています。

これを裏づけるのが、Googleとパートナーシップを結ぶアメリカのCEB社(Corporate Executive Board Company)が、2012年10月に実施した調査です。
この調査は主に、デジタルの進化がBtoBマーケティングに及ぼした影響を調べる目的でしたが、調査のなかで「BtoB購買担当者は営業担当者に連絡を取る時点で、すでに購買プロセスの57%を終えている」という結果が出ています。

デジタル化が進み、あらゆる情報をインターネット上で手に入れることが可能となった現代では、営業担当を通さずとも能動的な購買活動をおこなえるようになりました。そのため購買担当は、営業担当のトークによって購買意思を固めているのではなく、それ以前の段階ですでに購買意思を固めているのです。

この調査結果は、「購買担当は、営業担当からの営業を受けながら購買意思を高めている」という、これまでのBtoBマーケティングの常識を覆すものでした。

コロナ禍でさらに縮小した旧来型の営業手法

先ほどのCEB社の調査は、2012年に実施されたものです。この10年で、「刈り取り・オフライン・営業主導」の購買プロセスはさらに減少していると推測できます。特に2020年以降、新型コロナウイルスの影響により一層縮小していることは自明です。

コロナ禍による外出自粛が、オンライン上での情報収集・購買活動をさらに加速させました。これにはもちろん、感染防止のために対面で営業ができないという、企業側の事情も加味されます。しかしそれ以上に、顧客側が「購買活動の過程で営業パーソンとの対話を重視しなくなった」「そもそもオフラインによる営業を求めていない」という事情が大きいと推察されます。

新型コロナウイルスの影響で旧来型手法は急激に縮小したものの、コロナはあくまできっかけに過ぎません。根底にある、デジタル化による顧客の購買活動の変化こそが「刈り取り・オフライン・営業主導」型の手法を縮小させていると言えます。

BtoB購買における「オンライン上のコンテンツが果たす役割」

デジタル化の波と、コロナ禍。この2つの要素に​​より、BtoB購買担当者の購買意思決定を左右するのは、営業担当者とのやりとりよりもオンライン上で手に入れる情報の比重が大きいという説明をしました。

では今後、さらに加速していくであろうデジタル化の波のなか、企業はBtoBマーケティングにおいてオンライン上のコンテンツをいかにして充実させればよいのでしょうか?

そこで登場するのが、「ストック型コンテンツ」による営業・マーケティング活動です。

その場しのぎの場当たり的な情報提供ではなく、劣化することのない価値ある情報コンテンツを作り、潜在顧客および既存顧客に提供し続ける──これにより、担当者の購買意欲を高めたり、幅広いターゲットに継続的なアプローチを続けることが重要となります。

ただ作るだけでは無意味!ホットリードが獲得できるコンテンツ作り

「リードを生み出すためのコンテンツ」でなければ意味がない

ストック型のコンテンツは、一時的な旬に乗り爆発力を生むフロー型コンテンツと異なり、時期や時流に左右されず、常に安定した価値が提供されるコンテンツであることが大前提です。専門性が高く有益な情報コンテンツとして蓄積しておくことで、ユーザーに長くアプローチを続けられるメリットがあります。

そのため、重要なのはコンテンツの中身、質の高さです。それも、ただ質の高いコンテンツを生むだけではなく、コンテンツを使ってユーザーの興味を引き、リードを生み出す必要があります。

コンテンツを通じて顧客の熱量を高め、よりホットなリード獲得につなげる──これこそがストック型コンテンツの強みであり、制作する意義です。

「コンテンツを作る」ことがゴールではなく、「コンテンツからリードを生み出す」ことがゴールです。このことをよく理解し、作って終わりではない、真のゴールを目指すためのコンテンツ制作をおこなうことが、企業が市場競争を勝ち抜くための鍵となります。

顧客が求めるコンテンツは、購買プロセスから考える

リード獲得という最終的なゴールに向かうには、獲得に至るまでの購買プロセスを考慮しなければなりません。顧客の購買活動のフェーズごとに適切なアプローチができるコンテンツを創出することが、リード獲得への近道となります。

たとえば、情報収集フェーズにいる顧客は、何かしらの課題や悩みを抱えて情報を集めていることが想定されます。そのような顧客に対し「お役立ち記事」を提供することで満足度を高められれば、間接的に自社に興味を持ってもらうことを期待できます。
また、サービスの比較検討フェーズにいる顧客に対しては、自社のサービスや強みを紹介する「サービス紹介資料」を提供することで、検討の土俵に上がることができます。

このように、顧客が購買プロセスのどこにいるかによって、効果的なコンテンツは異なります。顧客の購買プロセスに鑑みたコンテンツによって、リード獲得や実際のお問い合わせに至るまでの間の意思決定に働きかけることが、ホットリードを生み出すことにつながるのです。

顧客の購買プロセスと、フェーズごとの課題にマッチしたコンテンツを作るためには、カスタマージャーニーマップを活用することが推奨されます。
自社がターゲットとする顧客層が、どのような課題意識を持ち、どのフェーズでどのような情報を求めているのか。これらを可視化したうえでゴールから逆算して考えるのは、ストック型に限らず、コンテンツ制作全般における鉄則といっても過言ではないでしょう。

カスタマージャーニーマップの重要性や作成方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
リード獲得・受注に繋がる「カスタマージャーニーマップ」大解剖

BtoBマーケティングで企業が生き残るために

ストック型コンテンツが営業手法として重視される傾向は、日本だけではなく、海外においても同様です。デジタル化による営業手法の変化をコロナ禍が加速させたことで、世界のトレンドがストック型コンテンツへと向いています。

国内外のBtoB市場が、旧来型のマーケティングから変化しようとしている──この変化にいち早く乗れるか否かが、企業の成長と、生き残りの分かれ目であると考えます。

BtoBマーケティングに役立つ資料もぜひご覧ください。
「BtoBマーケティングを始める前に知っておきたいこと」

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柴崎理香子RIKAKO SHIBAZAKI

スタートアップでのオウンドメディアライターを経て、現在はフリーランスで活動中。BtoBをメインに、たまにサブカルチャーやライフスタイルなどBtoC記事の執筆・編集も行う。趣味は風呂とランボーと食品サンプル。

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