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顧客との信頼を築く、メルマガ運用法。継続&内製化のための3ステップ

2022/12/27 Tuesday
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BtoBマーケティングにおいて、多くの企業で実施されているメールマーケティング「メルマガ」。低コストで簡単に始められるイメージがあるかもしれませんが、実際に運用していくのはなかなか大変です。コンテンツ不足やリソース不足などから、自社で継続して運営する方法に困っているケースも多く見かけます。

今回は、『Alternative Work』を運営する株式会社キャスターのBtoBマーケティング事業(bizhike)での支援事例をもとに、継続&内製化のための「メルマガ運用の3ステップ」をご紹介します。

「顧客との信頼関係の構築」がメルマガ運用の第一歩

メルマガ作成に取りかかる前に、まずはメルマガのそもそもの「役割」について考えてみましょう。メルマガの役割を「見込み顧客の行動喚起」や「顧客との関係性の維持・向上」だと認識している方も多いのではないでしょうか。たしかに、メルマガにはそういう側面もありますが、両者を実現するためにはもっと手前の「顧客との信頼関係の構築」が必要不可欠です。

では、そうすれば信頼関係を構築することができるでしょうか?

顧客が登録しているのは、あなたの企業のメルマガだけではありません。おそらく、たくさんの企業からサービスやセミナー情報などの案内が記載されたメルマガが1日に何通も届いていることでしょう。そんな状況下で自社のメルマガを開封してもらうためには、顧客がメリットを感じられる内容にすることが必要です。

サービスの紹介が強すぎたり、信憑性のない内容が含まれるメルマガは読みたくなりませんし、そのようなメルマガを何度も送るのは逆効果にもなり得ます。

「この会社のメルマガは、いつも面白い情報をくれる!」

「質の高い情報を、シンプルに読みやすく提供してくれる!」

などと感じてもらえるよう、読みやすく納得できる内容にすることを心がけましょう。メルマガに対する信頼度が上がれば、さらに情報を得ようとメルマガ内のリンクをクリックするなど顧客側から行動を起こしてくれることも期待できます。

企業と顧客との接点を適切に増やし、信頼関係を構築することができれば、その結果が「見込み顧客の行動喚起」や「顧客との関係性を維持・向上」につながるのです。

まずは「顧客との接点を作り、信頼関係を構築すること」がメルマガの第一の役割であることを忘れないようにしましょう。

信頼を勝ちとれる、メルマガ運用法3ステップ

前述したように、顧客がメリットを感じられるメルマガを送り、信頼関係を構築することがメルマガ運用の第一歩です。

そのためには「企業が伝えたいこと」ではなく、顧客目線で「顧客が知りたいこと」を意識することが重要です。とはいえ、闇雲に企画を考えるのは無謀ですし、いくら面白い内容になったとしても、最終的に企業としての目的である、「見込み顧客の行動喚起」や「顧客との関係性を維持・向上」を達成できなければ本末転倒です。

そこで、ここからは実際にメルマガを運用する際の企画からコンテンツ制作までの手順をご紹介します。具体的には、以下の手順でメルマガを作ることをおすすめします。

1.カスタマージャーニーマップの作成
2.競合調査、コンテンツの洗い出し
3.コンテンツ作成、振り返り

メルマガは一度送って終わりではなく、「もっと読みたい!」と思ってもらえるメルマガを送り続けることが大切です。継続的にメルマガを運用できるフローを整えましょう。

1.カスタマージャーニーマップの作成

メルマガに限らず、マーケティング戦略を立てるうえでは「ユーザーの心理や行動」を明らかにすることが重要です。そのための手段の1つが「顧客が製品やサービスを知ってからどのようにして購入や契約に至り、その間にはどのような思考と行動が起こるのか」を記した「カスタマージャーニーマップ」です。

カスタマージャーニーマップは、適切なマーケティング施策を行うために「顧客理解の解像度を上げる」ことが主な目的ですが、実はカスタマージャーニーマップはマーケティング施策を継続的に行うための「内製化」の一助にもなります。カスタマージャーニーマップを作っておくことで、必要なタイミングで必要な施策を選定しやすくなるからです。

実際に、bizhikeがクライアントのメルマガ支援をする際に作成したカスタマージャーニーマップの全体像がこちらです。

メルマガ支援時に作成したカスタマージャーニーマップ

ここで見ていただきたいのは、個々の項目や内容というよりも、「いかに細かく設定しているか」ということです。

項目としては、「いつ・どんな状況で・どのように行動し・何を考え・どう感じたか・離脱する理由」などに細分化しています。

カスタマージャーニーマップを作成することで、「ユーザーが何に困っていて」「どのような手段で」「どんな情報を届けるのが適しているか」の仮説が立てやすくなります。カスタマージャーニーマップから見えた仮説や離脱する理由をもとに、「どのチャネルで」「何を届けるか」を検討していくのが次の段階です。

「カスタマージャーニーマップ」の具体的な作成手順はこちらの記事をご覧ください。
リード獲得・受注に繋がる「カスタマージャーニーマップ」大解剖

2.競合調査、コンテンツの洗い出し

カスタマージャーニーマップを作成できたら、次に行うべきは「競合調査」と「コンテンツの洗い出し」です。

まずは、実際に競合他社が「どんなテーマで」「どんな訴求軸のコンテンツ」を配信しているのかをリサーチしましょう。bizhikeでは、まずは入り口である開封率を上げるためにBtoBに限らずBtoCを含む幅広い業界を対象にリサーチを行いました。その後、「顧客が読みたくなるメルマガは、タイトルに心を動かす要素(「え、どういうこと?」「気になる!」など)が含まれていて、シンプル(短文)なものではないか」という仮説を立て、各社のメルマガコンテンツを洗い出していきました。

洗い出したコンテンツは、「訴求軸」「テーマ」「コンテンツ(タイトル)」の項目に分け、それぞれの分析・考察を行います。

リサーチした内容の一部

競合調査を終えたら、いよいよ企画(コンテンツ案)を考える作業に移ります。

この時にも、カスタマージャーニーマップで浮かび上がったフェーズ毎の「仮説」や「離脱する理由」と照らし合わせながら、コンテンツ案を洗い出していきます。

3.コンテンツ作成、振り返り

​​コンテンツ案が溜まったら、さっそくメルマガ作成に取りかかります。

メルマガを書き始める前に、まずは継続して運用していくためのメルマガのテンプレートを作成しましょう。たとえば、構成は下記のように分類します。

  • 「ヘッダー」
  • 「送付先の宛名」
  • 「リード文」
  • 「本題」
  • 「CTAボタン」
  • 「他記事、キャンペーン」
  • 「署名、購読解除のリンク」

実際に使用したテンプレート

このフォーマットは記事下部でダウンロードできます。

テンプレートに基づいてコンテンツ案からメルマガを作成し、継続的に送れるようスケジュールを組みましょう。

さらに、メルマガ運用で重要なのは配信結果から分析・考察を行い、仮説を立て、次の打ち手を考えることです。

PDCAを回すために、以下の3つを用意しておくと便利です。

  • 配信結果〜振り返りを一元管理できる「管理表」
  • 数ヶ月スパンで振り返る「振り返りチェックシート」
  • 課題と改善点を把握するための「課題抽出シート」

管理表
「いつ、どんなタイトルで、どんな訴求の、どんなコンテンツ」を配信したかの定性情報と、「配信数、不通数、不通率、受信者数、開封数、開封率、クリック率、反応率、CV(コンバージョン)、CVR(コンバージョンレート)、購読解除数、購読解除率」の定量情報をまとめて記載しましょう。

実際に使用している管理表。

このフォーマットは記事下部でダウンロードできます。

「振り返りチェックシート」
「管理表」とは別に、数ヶ月スパンで振り返ることができる「振り返りチェックシート」を作成するのもおすすめです。短期と中長期で振り返ることで、運用体制をさらに改善していくことができます。

実際に使用している振り返りチェックシート。

このフォーマットは記事下部でダウンロードできます。

「課題抽出シート」
「振り返りチェックシート」に入力した結果が反映されるよう設定しておくと、どの項目にどんな課題があり、何を優先的に改善すべきかが一目瞭然です。

実際に使用している課題抽出シート。

このフォーマットは記事下部でダウンロードできます。

以上が、継続&内製化のための「メルマガ運用の3ステップ」です。

メルマガ運用を仕組み化することで、企画→執筆→配信という猫の手も借りたい状態から、先のコンテンツが安定して溜まるようになり、自社で安定的にメルマガを配信していくことができるようになります。「本気で作成したコンテンツは一粒で何度もおいしい」ものになります。本来の目的である「リードナーチャリング」「見込み顧客の行動喚起」「顧客との関係性を維持・向上」の他に、営業ツール・ホワイトペーパー・ウェビナー資料など、さまざまな施策に転用していくことができます。

ぜひ、顧客目線のコンテンツを発信しながら、社内に価値あるナレッジを蓄積していってください。

本文中で紹介したフォーマットは、ダウンロードできます。ぜひご活用ください。

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中村聖志郎SEISHIRO NAKAMURA

株式会社キャスターのコンサルティング事業部「bizhike」でスタートアップのマーケティング・事業開発を中心に、上流の戦略策定支援から実行支援まで垂直統合的なプロジェクトとチームマネジメントを担当。趣味は、キャンプとスノーボードとサウナ。

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