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400種類以上のクラウドツール活用で見つけた、失敗の本質

2023/01/10 Tuesday
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インターネット環境があれば利用できる「クラウドツール」は、その手軽さやコスト面から利用している企業も多いでしょう。

一方で、クラウドツールが使いこなせない、使いたいと思っているが失敗しそうと感じている方もいるのではないでしょうか?

本記事では、フルリモート経営をする株式会社キャスターが累計400種類以上のクラウドツールを導入してきたなかで見つけた、クラウドツール導入に失敗する要因とその対策について紹介します。

失敗の本質的な原因は「緊急度」が低いこと

クラウドツールの活用を、導入から運用までの4つのフェーズに分解してみます。

1.設計
自社の業務に合わせて、クラウドツールの導入範囲、運用方法、初期設定等を行う

2.初期運用
導入を推進するメンバーを中心に使用が始まり、メンバー内でPDCAを回し、設計の見直しや運用改善を行う

3.浸透
多くのメンバーに使用してもらうために、社内問い合わせ対応、使い方レクチャーなどを行う

4.定着
一定人数で使用されており、より高い効果を出すために運用改善をし続ける

次に、今紹介した4つのフェーズに緊急度と重要度をつけてみます。その上で、ツール活用が失敗する原因を探ってみます。

フェーズ
緊急度
重要度
1.設計
高い
高い
2.初期運用
高い
高い
3.浸透
低い
普通
4.定着
低い
低い

①設計と②初期運用のフェーズ
会社の意欲も高く、多くの場合はプロジェクト化されているので期限があります。導入を成功させるために担当がアサインされ、スケジュールに沿ってプロジェクトが推進されます。緊急度と重要度が高いので、スムーズに進んでいきます。

一方で、設計と初期運用は難易度の高いフェーズです。システム連携のハードル、業務オペレーションに組み込むハードル、予算やスケジュールのハードルなどを超えなければなりません。そのため、途中でプロジェクトが頓挫してしまうことがあります。

③浸透のフェーズ
運用を推進している「推進側」と実務で使用することが多い「使用側」に分かれてきます。推進側のメンバー内ではツールが使われているため「私たちは活用できてる」という心理状態になり、浸透させることへの緊急度が下がっていくことがあります。

結果として推進メンバー以外に浸透せず、想定していた範囲まで使用が広がらずに失敗する、というケースがあります。

④定着のフェーズ
定着のフェーズに入ると緊急度は更に下がります。使ってる人数は増えてきている=効果も出ていると錯覚しやすい状態です。効果が出ているのか?と疑問を持ち、効果を最大化させるために運用を定着させようとしても、使っている人数がそこそこいるため一筋縄にはいきません。結果として、想定した形では定着させることができずに失敗してしまうことがあります。

上記のような失敗のパターンがあるものの、昨今のクラウドツールは導入がしやすいようにUI/UXが設計されていたり、導入時のサポートも手厚いことが多く、①と②の段階での失敗は意外と少ないです。

一方で、③と④のように、「導入まではできたけど使いこなせずに失敗した」というケースは多いかと思います。クラウドツールを提供するSaaS企業は、カスタマーサクセスという役割でユーザーのサポートをしていますが、本質的にはユーザー自身のコミットが肝です。

では、コミットするかしないかという判断はどこにあるのでしょうか。それこそが「緊急度」です。

緊急度が低い業務は放置されやすいため、結果としてクラウドツールの効果を最大化できないままとなります。弊社の経験からも、③と④のフェーズでの失敗を防ぐには「緊急度」をマネジメントしていくことがポイントになると考えています。

緊急度の重要性がわかった上で、緊急度をマネジメントしていく方法について考えてみます。

緊急度のマネジメントは「コントロール」と「無効化」

緊急度のマネジメントには「コントロール」か「無効化」の2つの選択肢があります。

コントロールとは、緊急度が高い状態を作り出すことです。無効化とは、緊急度にかかわらずコミットできる状態を作り出すことです。

累計400種類以上のクラウドツールを導入してきた株式会社キャスターの経験をもとに、それぞれの具体例を紹介します。

コントロール:緊急度が高い状態を作る

緊急度を高い状態にするには以下のような方法がおすすめです。

・人数規模の大きな部署やチームを巻き込む
クラウドツールの導入をする時に、「スモールスタート=小さな範囲で始める」とよく耳にします。しかしながら、緊急度の観点では「ビックスタート=大きな部署を巻き込む」ことが重要です。

大きな部署が絡んでくると、必然的に会社への影響度も大きくなります。会社への影響度が大きいので、クラウドツールを推進する側も使用する側も自分ゴト化します。結果として、クラウドツールの浸透や定着をさせることの優先度が上がっていきます。

・クラウドツールありきの業務にする
ドキュメントはNotion、営業数字はHubSpot、など日々の業務でクラウドツールを使用することを当たり前にしていきます。クラウドツールを使って業務を行うことに対して違和感を持たない状態にすることで、ツールが浸透していきます。

無効化:緊急度にかかわらずコミットする状態を作る

緊急度にかかわらずコミットする状態を作るには担当者をつけることが重要です。担当者は社内と社外から確保できます。

・社内の人材をアサインする
社内で担当を決めて、推進してもらいます。自分の仕事としてコミットしてもらうためには、担当者個人の目標設定に組み込んだり、社内の問い合わせ窓口になってもらったりすることが効果的です。

社内の人材はアサインしやすいですが兼務していることが通常です。そのためツールの活用や浸透に使う時間が十分に取れず、推進できないこともある点がデメリットです。

・外から人材をアサインする
社内の人材のデメリットを解消するためには、アウトソーシングや個人の業務委託など社外人材をアサインすることがおすすめです。社外人材はクラウドツールの推進業務に対して契約をするため、緊急度にかかわらず任された業務に対して100%のリソースを割くことができます。

今回は、クラウドツールで効果を出すためには緊急度を高い状態で維持するか、緊急度にかかわらずコミットできる人員をアサインするかが肝になることを紹介しました。

クラウドツールの種類や導入する範囲によって失敗の要因は複数ありますが、根本的には共通しています。クラウドツールの導入でお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。

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