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休みやすい職場の作り方。仕事の「休み方改革」3つのすすめ

2022/10/20 Thursday
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週休3日制の導入などがニュースになり、注目される「休み方改革」。しかし、「本当に休みやすい職場」を実現できている会社や組織ばかりではありません。今回は、「休み方改革」を進めるためにできることを3つ紹介します。

「休み方改革」の現実。休みやすい職場を作るには?

ここ5年ほどで一気に進んだ「働き方改革」と同時に、実は政府は「休み方改革」も積極的に推奨しています。たとえば、厚生労働省では働き方・休み方改善ポータルサイトを開設したり、内閣府も休み方改革を実現するためのワーキングペーパーなどをまとめたりしています。

大まかな目的として挙げられているのは、以下のような項目です。

  • 長時間労働を是正
  • 副業・兼業、学び直しなどの推進
  • 労働者の健康維持、促進
  • 休暇分散化による経済活性化

しかし、実際に仕事をしていると「そう簡単には休めない」と感じる人も多いのではないでしょうか。また、経営者や管理職としても「休ませてあげたいけれど、一気に休まれると困る」と思っている人も少なくないかもしれません。

ただ、働き手からすると有給が取得しにくい会社よりも取得しやすい会社の方がいいですし、何かあった時に休暇を取りやすい会社の方がいいことは間違いないでしょう。

となると、問題は「どのように休みやすい会社や組織を作るか」です。そこで今回は、休みやすい職場を作るためにできることを3つお話します。

1.フレックスタイム・時間有給など制度の活用

まず取り組みやすいのは、法律や制度をフル活用することです。

なかでも、一定の期間の中で働く時間を自由に選べる「フレックスタイム制」の導入は非常にわかりやすいです。たとえば、お子さんを朝から病院に連れて行くとなった場合、「有給を使って、まる1日休みにする必要はないんだけどな」ということもありますよね。そんな時、フレックスタイム制を利用できれば、出勤時間を1-2時間後ろにずらせば問題なく勤務できます。

似たもので、時間単位で有給休暇を取得できる制度もあります。1時間単位で有給休暇を取得することができるので、急ぎや大事な業務をストップすることなく、自身の予定と組み合わせることが可能です。

また、意外と知られていないかもしれませんが、正社員は週40時間働かなければいけないという決まりは実はありません。(むしろ、週の労働上限時間が40時間というのが決まりです)それを利用し、週30時間勤務で正社員を雇用するなどの制度を導入することも可能です。

このように、制度を活用するだけで、業務に大きな支障をきたすことなく、休みやすい職場を実現することができます。

2.「書いて残す」文化で引き継ぎをスムーズに

しかし、「制度を導入しただけ」では本質的に休みやすい職場にはなりません。

というのも、休みにくい原因の1つに「業務の引き継ぎが大変」というのがあります。引き継ぎが大変なのは、休暇を取る人が普段やっている業務が暗黙知のもとに進められ、必要な手順やツールがわからないからです。

いわゆる「属人化」の問題ですが、これを防ぐためには「仕組み」が必要です。そして、その仕組みを支える基盤となるのは「書いて残す文化」だと考えています。

以前、Alternative Workの記事でも書きましたが、書く文化が根づいているかどうかは休みやすさに直結します。それぞれのチームメンバーが業務で取り組んでいることや手順がすべてドキュメントに残っていれば、突発的な休みが発生したとしてもなんとか他のメンバーでカバーすることができるからです。ドキュメントで残っていない場合、休んでいる人に直接聞かないと代わりに業務ができません。実際、休暇中なのに会社から何度も連絡が入り、休んだ気がしなかったという経験をした人も少なくないかもしれません。

ただ、これはドキュメントを残すというシンプルな方法で解消できる問題です。

とはいえ、1人だけがドキュメントに残していても不完全です。誰もが休みやすい職場を作るには、全員がドキュメントに残す文化が必要です。正直、この文化を作るには時間と根気が必要ですが、やればやるほど後になって自分たちにメリットが返ってくる文化だと思います。

3.ビジネスモデルを見直し、余剰を生み出す

会社を休みにくい大きな原因に「自分が休んだら、代わりの誰かに負担がかかる」ことも挙げられます。その事実を申し訳なく思い、休みを取りにくいという人もいるかもしれません。

精神論として「お互いさま。助け合いだ」と呼びかけるのも大事ですが、それだけではいずれどこかにひずみが生まれます。だからこそ、休みやすい職場にするために経営者や管理職がやるべきなのは、「ビジネスモデルを変える」「仕事の仕方を変える」ことです。

他の人にしわ寄せがいくのは、組織に余剰がないからであり、その仕事を止めてしまうと顧客に迷惑がかかるからでしょう。そのような場合、ビジネスモデル自体を変えなければ、組織に余剰を作ることも顧客に迷惑をかけないようにすることもできません。

具体的に言えば、商品価格を上げることで利益率を上げ、組織内に健全な余剰を保てるようにすることも1つですし、顧客への提供価値を変えることで数日その業務が止まったとしても顧客に迷惑がかからないように商品設計を変えることも1つです。

「休みやすさ」というと、どうしても制度や文化に目が向きがちですが、根本的な事業やサービスのあり方から見直すことは経営者にしかできない「休みやすい職場の作り方」だと思います。

以上が、会社や組織が「休み方改革」を進めるためにできること3つです。一朝一夕で実現することではありませんが、ぜひできることから取り組んでみてください。

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石倉 秀明HIDEAKI ISHIKURA

約1500名がフルリモートワークする株式会社キャスター取締役CRO(Chief Remotework Officer)。『Live News α』(フジテレビ系列)、『ABAMAヒルズ』(ABEMA)コメンテーターや『ダイヤモンド・オンライン』での連載、書籍執筆などの活動も行う。妻と6歳の娘と犬と猫と暮らしている。著書に『会社には行かない』『コミュ力なんていらない』『THE FORMAT』等。

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