MAKING EFFICIENT 業務ハック/効率化

スタートアップ創業初期の経理業務はどうすべき?

2022/11/01 Tuesday
この記事をシェア:

スタートアップ創業初期は、売上を上げるための活動を優先しがちですが、日々の取引記帳などの経理業務を疎かにすると、ミスが発生する原因になります。

創業初期には専任の経理担当者がいないことが大半で、代表自らが経理業務を兼務することも多く、いかに経理業務を効率化するかがポイントです。

この記事では、設立直後の会社が直面する経理業務の課題と、スタートアップ企業が創業初期に経理業務をどうすべきかを解説します。

クラウド経理サービスCASTER BIZ accounting

小さな会社の経理部の「新規立ち上げ」から大企業の「既存業務のアウトソーシング」まで、累計200社を超える企業の経理業務を請け負うクラウド経理サービス。日常の仕訳はもちろん、経理コンサルまで幅広く対応しています。

会社設立直後から発生する経理業務

会社を設立すると、税務申告をおこなう義務が生じます。スタートアップ企業の場合、株主への経営状況の報告も必要になるでしょう。そのため、日々の取引を正確に記録することが必要です。

では、具体的な経理業務にはどんな内容があるでしょうか。「日次業務」「月次業務」「年次業務」に分けて紹介します。

1.日次業務

日次業務の主な内容は以下の通りです。

業務項目 内容説明・留意点
現金・預金の入出金管理 現金や預金の移動を正確に仕訳する。取引金額に誤りがないか確認する。
現金残高の確認 帳簿上の残高と実際の残高が一致しているか確認する。
仮払金の処理 正しい勘定科目と金額が分かり次第、速やかに仕訳する。
従業員が立て替えた経費精算 領収書やレシートを確認し、速やかに仕訳する。
伝票や帳簿への記入 すべての取引を帳簿に記帳する。

日々の活動を記録する必要があるため、溜めてしまうと作業負担が重くなります。また、時間が経過すると正確な内容も把握しにくくなるので、注意が必要です。

2.月次業務

月次業務とは月に一度発生する経理業務で、主な内容は以下の通りです。

業務項目 内容説明・留意点
買掛金、未払費用の支払い・消し込み 定められた期日(月末など)までに取引先に支払う。
売掛金の入金確認・消し込み 売上が期日までに入金されたか確認する。遅延している場合は顧客に督促する。
取引先への請求書・領収書発行 取引先へ請求書や領収書を忘れずに発行・保管する。
従業員の給与計算・支払い 勤怠にもとづき給与の支給額や控除額を計算する。
社会保険料の納付 保険料納入告知書に記載された金額を所定の方法にて納付する。
源泉徴収税の納付 従業員の給与・賞与や専門家への支払報酬から源泉徴収した所得税や、特別徴収した場合の住民税を納付する。

月次業務は月末に業務が集中する傾向があるので、計画的な業務遂行が求められます。

3.年次業務

年次業務とは年に一度発生する経理業務で、主な内容は以下の通りです。

業務項目 内容説明・留意点
年次収入・支出額の確定 売上・費用のみならず、未払金・前払金、売掛金・買掛金などを確定する。
実地棚卸し 在庫を数え、実際の在庫数と帳簿上の在庫数を照合する。
固定資産の実査 固定資産の状態を確認し、固定資産台帳の情報を更新する。
決算書類の作成 当期の会計期間における実績を集計して、確定申告書や財務諸表などの決算書類を作成する。
法人税や消費税の税務申告・納税 決算に関して取締役会で承認を得たのち、税務申告および納付をおこなう。
従業員の年末調整 従業員に支払った給与から源泉徴収をした所得税等の金額を確認し、過不足を調整する。

年次業務は決算書類の作成・税務申告・納税など、重要な業務が数多く発生します。

会社設立直後に直面する経理業務の課題

会社設立直後は人が少ないため、代表自らが経理をしていることも多いです。ところが、代表が経理業務をおこなうことには問題もあります。

以下では、具体的にどんな問題が起こりうるかを考えます。

1.慣れない経理業務に時間をとられる

経理経験のある経営者は多くないでしょう。

記帳ひとつとっても仕訳や勘定科目の知識など覚えることが数多くあります。そのうえ、経理業務は正確な作業が必要とされます。

会社を設立し、売上を立てる業務が優先されるなかで、慣れない経理業務を代表自らがおこなうと時間がいくらあっても足りません。経理業務の対応で本来の業務が疎かになってしまっては、本末転倒です。

特に、スタートアップ企業の場合には「時間」が何よりも大切です。

2.記帳のミス・漏れ

経営者や営業担当者が経理業務をおこなう場合、本来の業務との合間におこなうことになります。場合によっては、月末にまとめて実施するという場合もあるかもしれません。

慣れない記帳作業を慌てておこなうと、ミスが発生しやすくなります。経理業務のミスにより本来する必要のなかった後処理に時間がとられることになります。

また、経営判断を誤ってしまうことにも繋がりかねないので、こまめな記帳や人的ミスを少なくする仕組み化が欠かせません。

会社設立直後の経理業務の選択肢

上記の通り、会社設立直後の経理業務にはさまざまな課題があります。これらを踏まえて、経理業務を自社でおこなうのか、税理士等の専門家に委託するのかを検討してください。

経理業務を遂行する主な選択肢は、以下の3パターンです。

①記帳・税務申告ともに自分でおこなう

経営者や社員に十分な経理処理能力がある場合や、まだ売上規模が小さい会社には有効な選択肢です。
日々の収入と支出の項目が定まっている業種であれば、会計ソフトを駆使しながら対応可能と言えます。

ただし、税務面での知識が十分でない場合は誤って税務申告するリスクもあります。

②記帳は自分で、税務申告は委託

日々の記帳は自社で行い、決算書類の作成や税務申告のみ税理士に委託する方法です。

専門家に委託することで、年次業務の負担を大幅に減らせます。税理士への支払いも比較的抑えられる方法です。

経営者が日々の資金繰りを把握することができるというメリットもあります。

③記帳と税務申告を委託

日々の記帳から決算書類の作成および税務申告まで全て委託する方法です。

税理士業務ではない記帳を代行するサービスもありますし、記帳だけではなく、月次処理や請求書のとりまとめなど税理士業務ができるサービスもあるため、うまく活用することで、経営者の負担が大幅に軽減され、本来取り組むべき業務に注力できます。

≫記帳の代行を委託できるサービス例:「CASTER BIZ」

≫月次処理・請求書のとりまとめなども依頼できるサービス例:「CASTER BIZ accounting」

スタートアップ創業初期のおすすめ

上記①〜③の選択肢のなかで、スタートアップ創業初期におすすめなのは、②または③です。

創業初期はとにかく「時間」が大事です。

記帳・税務申告を自社でおこなう①の選択肢は、経理知識が身に付くという意味では有効ですが、会計・税務の知識を学びながら自ら経理業務をおこなうと、さまざまな問題や無駄な手間・時間が発生します。

また、無視できないのが「代金回収」です。創業初期はお金がないため、売り上げが回収できないとすぐに自転車操業になります。

売上を立てる動きをしながら、入金の遅延先への催促を漏れなく確実におこなうのはとても難しいことです。

そのため①の方法は、スタートアップ企業にはおすすめできません。家族経営の会社など、スピーディーな成長を想定していない会社にとっては1つの選択肢として考えられます。

②の方法(記帳は自分で、税務申告は委託)がおすすめなのは、まだ取引が少ないスタートアップです。

会計ソフトで銀行口座やクレジットカードなどと連携することで、ほぼすべての記帳が可能なスタートアップには有効です。
しかし、事業が進むにつれ③の体制へ進むことを想定しておきましょう。

③の方法(記帳代行と税務申告を委託)は、基本的にすべてのスタートアップ起業におすすめです。
スピード感を以って大きく成長を狙う企業では、社内人材の能力と時間を企業価値を向上させられる「コア業務」に集中的に投下すべきです。

そのためには、できるだけ間接業務を外部委託し、経営資源である「時間」を捻出することが重要です。

会社設立・起業をすると、山のように仕事があります。
経理はたしかに重要な業務ではありますが、煩雑な手続きや判断が求められる一方で、経営者自らおこなう業務であるかというと疑問です。

特に日々の記帳は時間を要す作業であるため、ついつい溜め込んでしまい月末や決算前に全く本業が手につかない状況に陥る経営者も見受けられます。

そのため、スタートアップ創業初期から可能な限り経理業務の効率化を進め、社内人材は会社の売上・実績に繋がる業務に集中するという体制を作ることが、経営として有効な判断かもしれません。

この記事をシェア:

山咲 かもめKAMOME YAMASAKI

企業内起業家、兼ライター。建築・金融・不動産業界にて15年働いた経験を活かし、企業の新規事業開発やマーケティングをサポート。休日はフォトグラファーとしても活動中。2020年に個人で不動産投資を開始、将来の夢はメガ大家さんになること。

メールマガジン

メールマガジン
リモートワークや新しい働き方がわかる、
仕事のヒントが見つかる情報をお届けしています。