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リモートワークのオンボーディング。出社型との違いやポイントとは

2022/10/13 Thursday
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転職者の増加や副業などによる働き方の多様化、人手不足の深刻化などを背景に、「採用した人材を組織の戦力として立ち上げること=オンボーディング」がより重要になっています。今回は、リモートワーク環境でのオンボーディングにおいて、会社が準備すべきことやポイントを整理してお伝えします。

オンボーディングには2種類ある

オンボーディングとは、「採用した人材を組織の戦力として立ち上げること」。言葉にすると一言ですが、実際にやるべきことは非常に多いです。そこで今回は、オンボーディングの種類を「業務」と「文化」に分けて考えます。

業務のオンボーディングとは、新しいメンバーが早く独り立ちし、任された仕事を通して活躍してもらうためのものです。

文化のオンボーディングとは、会社の文化に馴染んでもらったり、会社の方向性やビジョンの理解などを通じて会社の一員であることを感じてもらったりするためのものです。

それぞれのオンボーディングで重視すべきことは異なりますし、リモートワーク環境であればさらに工夫が必要です。

ここからは、約800名がフルリモートワークをする株式会社キャスターのオンボーディングのプロセスを踏まえて、業務と文化のオンボーディングをする際に会社が準備すべきことやポイントを具体的に紹介します。

業務のオンボーディングの肝は「ゴール」「ドキュメント」「ツール」

リモートワーク環境での業務のオンボーディングの肝は、「ゴール」「ドキュメント」「ツール」の3つです。

ゴールの設定

こちらはリモートワークに限ったことではありませんが、いつまでにどういう状態になってほしいか、ゴールを整理しましょう。たとえば、「入社後3ヶ月以内に1人で商談ができて、受注率が◯%以上」などです。
ポイントは、「測定できる指標」で目指す状態を具体的に設定することです。「一人前にする」などの曖昧な言葉で終わらず、一人前の定義を明確にしておくことで、インプットすべき情報や取り組むべき業務の優先度や判断がつけられます。時間をかけて、しっかりと言語化することをおすすめします。

ドキュメントの一元化

業務に必要な情報はドキュメント化し、一箇所にまとめておきましょう。リモートワークの場合は、パソコンの使用ルール、推奨するインターネット環境(Wi-Fi使用の注意)、パスワード設定のルール、セキュリティツールのインストールや設定、勤怠管理などの情報をドキュメントにまとめておくとスムーズです。

ツールの導入・準備

リモートワーク経営では、クラウドツールやSaaSツールの活用が便利。以下のようなツールの設定や使い方を整理しておくことをおすすめします。
パスワード管理、経費精算、人事労務、勤怠管理、セキュリティソフト、ナレッジシェア、
メール、カレンダー、ファイルシェア、Web会議、チャット、タスク管理、画像動画キャプチャ、電話、顧客管理(CRM)、マーケティングオートメーション(MA)、営業支援(SFA)、ビジネスインテリジェンス(BI)、Web解析など。

文化のオンボーディングは「会話」が本質

文化のオンボーディングでは、「会話を生み出す」ことが重要なポイントになります。リモートワーカーにとっての会話は、チャットやWeb会議が主です。そこでのコミュニケーションを通じて、働く人の雰囲気が伝わり、会社の文化にも馴染んでいくことができます。会話には、「業務指示や報告」「相談」「雑談」の3つのパターンがあります。いずれかの会話に偏ることなく、バランスよくコミュニケーションを生み出すことが重要です。

「業務指示や報告」は意識せずとも発生しやすい会話です。だからこそ、組織体制を見える化し、レポートラインやチャットツールのチャンネルなどを明確にしておくことが、よりスムーズに会話ができる環境へ繋がります。

「相談」や「雑談」は、意識的に場を設ける必要があります。リモートワークでは、オフィスでの休憩中やすれ違いざまに会話するようなシーンはなかなか生まれないためです。また、オンライン上では相手の反応が見えないので、発言が無視されない状態を作ることもポイント。具体的な取り組みは以下のようなものが挙げられます。

  • メンターとの面談を定期的に設ける
  • 良い情報やアイデアのシェアには特に反応する
  • テーマごとに雑談用のチャットチャンネルを作る(#papamama #baseball #book #cats など)
  • Slackの場合、オリジナルのスタンプを作って気軽に反応できるようにする
  • 上司が率先して雑談ネタを放り込む

すぐに使えるリモート向けオンボーディングTips

最後に、リモート向けのオンボーディングで使えるTipsを2つご紹介します。

1つ目は、「動画活用」です。

入社初日によく行う会社説明などは内容も変わりづらいので、録画して動画で視聴してもらうのがおすすめです。また、業務で使用するツールの説明や、社内の申請や手続きに関する説明(経費精算、勤怠管理など)も毎回同じ内容を説明することになるので、動画活用が有効です。

動画活用のメリットとしては、以下のようなことが挙げられます。

  • 各々が好きな時間やタイミングで視聴できる
  • オンボーディング担当者の時間が拘束されなくて済む
  • 見返すことができ、ツールの設定や使い方のトラブルが減る
  • オンボーディングの内容や情報が属人化しない

2つ目のTipsは、チャットの「共通アカウント」の活用です。

リモートワークの有無に関わらず、新しいメンバーが何かを確認したいと思った時に「人事部の誰に聞けばいいか分からない」、「担当の◯◯さんがお休みだった」となることはよくあります。

できるだけストレスのない環境を作れるように、複数人で運用するバーチャルなチャットアカウントを作ってみましょう。「人事のことは■■アカウント」「経理のことは△△アカウント」というように、質問したい側が迷うことがなくなり、運用側も休暇や異動などに対応しやすくなります。

以上が、リモートワーク環境でのオンボーディングをする際に、会社が準備すべきことやポイント、Tipsでした。

今回はリモートワーク向けでしたが、出社型のオフラインでのオンボーディングも基本的なことは変わりません。新しいメンバーの立ち上げやパフォーマンスの向上、人材の定着などにお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。

より詳しく知りたい方はコチラもご覧ください。

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