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男女の賃金格差をなくすために私たちにできること

2023/10/25 Wednesday
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2週間ほど前になりますが、今年のノーベル経済学賞をハーバード大学のゴールディン教授が受賞しました。ゴールウィン教授は労働市場におけるジェンダーギャップについての専門家で、今回の受賞理由も「労働市場における男女格差の主な要因を明らかにしたこと」です。

参照記事:https://www.nobelprize.org/prizes/economic-sciences/2023/prize-announcement/

ゴールウィン教授は、男女間の所得格差を説明するうえでは、「職業内の格差」が重要だと指摘しています。具体的には、勤務時間や働き方に柔軟性がない職種ほど高収入だが、そういった仕事ほど女性が働きにくいことから、職業内の格差が生まれているとのことです。

例えば、医師などがその例です。緊急搬送の患者がいたり、突発的な処置などで昼夜問わない勤務時間が存在します。そういった働き方をできる女性は多くなく、それが差になっているとのことです。つまり、女性と男性の職業内の賃金格差をなくすには「働き方の柔軟性」が想像以上に大事、ということです。

私たちキャスターはフルリモートワークで働いていますが、通勤時間がなくなったことで時短勤務ではなく、フルタイムで働けるようになった社員、フレックスタイムをうまく使い、活躍している社員も多数存在します。

先日メルカリ社が、同じ職種内の男女における賃金格差の要因を「前職の給与を考慮し、年収オファーを出す」ことで発生していたと公表して話題にもなりました。

賃金格差はさまざまな要因によって発生しますが、「働き方の柔軟性」を確保することは、私たちにもできることです。それにより「あんな働き方はできない……」と思った女性が退職してしまう、もしくはその職場でキャリアを諦める、といったことを防ぐ第一歩になるのではないかと思います。

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※この記事は、2023年10月時点の情報をもとに執筆しております。

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石倉 秀明HIDEAKI ISHIKURA

働き方に関する調査・分析・研究を行うAlternative Work Lab所長。慶應義塾大学大学院政策メディア研究科修士課程在籍。『Live News α』(フジテレビ系列)、『ABEMAヒルズ』(ABEMA)コメンテーターや『ダイヤモンド・オンライン』での連載、書籍執筆などの活動も行う。著書に『会社には行かない』『コミュ力なんていらない』『THE FORMAT』等。

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