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職場に残ったマスク問題…個人のリスク許容度が働き方を決める

2023/04/05 Wednesday
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4月に入り、新入社員を迎えた会社も多いのではないでしょうか。
今年は入社式もオフラインで実施した会社も多かったようです。

参照記事:https://www.fnn.jp/articles/-/508397

入社式など式典のコンテンツはオンラインでもそのままできるものも少なくないが、普段着ないスーツを着たり、会場まで電車で向かう過程での景色なども新鮮に感じるし、会場の写真を撮ったりなど含めて対面、オフラインでやる意味は大きいと思います。

マスクに関しては任意だが、ほとんどの人が付けていてまだまだ習慣として人が多いところでは念の為付けておこうという人も少なくないのではないでしょうか。

入社式などの一時的な行事はまだいいとしても、マスクに関してはこれからずっと続く問題で、会社としての方針をどうするか考えている会社も少なくないと思います。

例えば、リモートワークから出社もしくはハイブリッドに移行している会社は増えてきていますし、マスクに関しても何らかの会社の方針を示そうという会社がほとんどでしょう。
ただ、通勤電車やオフィスでのデスク間の距離の近さなどをどこまでリスクに感じたり、そこまで行かなくても気になる程度は人それぞれです。
やはり念の為マスクしていたいという人もいれば、もうマスクはしたくないという人もいるでしょう。

そのような状態で一律のルールや方針で縛ることは現実的に難しい側面も出てくると思います。結果的に、会社は推奨程度を止める、個人に任せるなどの方針にせざるを得ません。

これはある意味で働き方のルールや方針を決める際に、個人ごとの「リスク許容度」を考慮して制度設計しなければいけなくなったということを意味します。

知人経営者で婚活ビジネスをやっている人がいるのだが、コロナ禍になって結婚相手やパートナーに求める条件に「コロナに対する倫理観、リスク許容度が同程度である」が上位に入ってきたといいます。
同じように会社や職場を選ぶ際にもリスク許容度が同程度の職場の方が居心地が良い、などと感じる人も増えてきて、職場選択の条件に入ってくるかもしれません。

実際に、弊社に転職してきた人の中にも前職でコロナに対するリスク許容度がどうしても合わず、そういったことを気にせずに働きたいのでリモートワークを選択した、という人も出てきています。

コロナウイルスに対する向き合い方や扱い方は緩和されてきましたが、ウイルス自体をどう捉えるか、どのくらいリスクと思うか、周囲の人にどうあってほしいかという考え方は人によってかなり多様です。
だからこそ会社として働く人個人のリスク許容度に合わせて、不安なく働けるような仕組みや働き方をどう取り入れられるかどうかが次の課題なのだと思います。

※この記事は、2023年4月時点の情報をもとに執筆しております。

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石倉 秀明HIDEAKI ISHIKURA

働き方に関する調査・分析・研究を行うAlternative Work Lab所長。慶應義塾大学大学院政策メディア研究科修士課程在籍。『Live News α』(フジテレビ系列)、『ABEMAヒルズ』(ABEMA)コメンテーターや『ダイヤモンド・オンライン』での連載、書籍執筆などの活動も行う。著書に『会社には行かない』『コミュ力なんていらない』『THE FORMAT』等。

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