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日本版ライドシェア解禁、 タクシー需要への 本質的解決になっているのか?

2024/04/17 Wednesday
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2024年4月にいよいよ日本版ライドシェアが解禁され、サービス開始しました。

参照記事:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240409/k10014416551000.html

まず東京都内からスタートし、横浜、川崎などの京浜地区、名古屋、京都などでの提供が順次行われます。

現在の日本版ライドシェアはタクシー会社が行うことが必須になっており、56社が参入、24社がさらに申請しています。ドライバーの運行管理などはタクシー会社が行い、一般ドライバーはタクシー会社に所属することで自家用車でのタクシー業務、いわゆるライドシェアが可能になります。

少しひいてみると、この日本版ライドシェアは、タクシー会社の業務拡大のための法律と言っていいものになっています。

具体的にいえば、タクシー会社は、ライドシェア事業であれば自家用車で行うので車を増やしたり、メンテナンスするコストがなくなります。かつスポットで業務を行う人に、その都度所属してもらう形になるので、社会保険料の支払いなどもなく、ある意味で都合よく臨時の従業員を増やすことができます。

つまり、今までタクシー会社が負担していたコストをなくしながら、タクシー「的な」業務を拡大できる、ということです。ライドシェアの人たちを、どこまで増やすのかもタクシー会社次第ということです。

これ自体に賛否はありますが、果たしてこれで本来の目的であるタクシー需要の逼迫に対する解決策になるか、また働き方の柔軟さを担保した新しい取り組みになるかは、未知数なままのスタートになっている、といっていいでしょう。

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※この記事は、2024年4月時点の情報をもとに執筆しております。

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石倉 秀明HIDEAKI ISHIKURA

働き方に関する調査・分析・研究を行うAlternative Work Lab所長。慶應義塾大学大学院政策メディア研究科修士課程在籍。『Live News α』(フジテレビ系列)、『ABEMAヒルズ』(ABEMA)コメンテーターや『ダイヤモンド・オンライン』での連載、書籍執筆などの活動も行う。著書に『会社には行かない』『コミュ力なんていらない』『THE FORMAT』等。