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リスキリング全盛の時代、我々が本当に学ぶべきもの

2022/10/19 Wednesday
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リスキリングという言葉を聞かない日はないくらい当たり前に使われるようになってきました。
そのリスキリングについて、先週以下のツイートに対してさまざまな意見が出ていました。

参照:https://twitter.com/ryosuke_nishida/status/1578668780015624193?s=46&t=VtcFhABCB4UE16YsaM085A

これに対して「大学や大学院では社会で必要なスキルは身に付かない」という人がいます。また逆に「大学院では最先端の情報に触れるので社会に役に立つ」という人もいます。個人的にはどちらも違うのではないかと思っています。

たしかに「スキル」が工場でこの機械をメンテナンスできるとか、経理ができるなどを指すのであれば、大学院や大学ではそれは身につきません。
ただ、知識産業化している現代においてそれはスキルとは呼ばないのではないかと思います。

現代においてのスキルは「データを扱う力」「日本語や英語でコミュニケーションできる力」「論理的思考はじめ、深く考える力」がベースになっています。

例えば、マーケティングの仕事をするにしても、必要なデータは何で、それをどう集めて、集めたものを分析し、正しく問題設定をし、解決する案を出して実行していかなければなりません。
つまり「マーケティングができる」には、データを正しく扱い、論理的に深く考えることで問題を見つけ、出た解決策を言葉で人に伝え、動かさなければいけないわけです。
なので、多くの人が言ってる「マーケティングができる」「経理ができる」のためには、上で述べた3つの力がなければ成立しません。むしろこの3つの力がない人は、指示された作業を遂行するにとどまってしまいます。

リスキリングは何のためにするかというと、この作業者を脱するためが1つ、もう1つは新しい分野の仕事を「できる」ようにすることです。
とすると、データを扱う力、言語を操りコミュニケーションする力、論理的に深く考える力は必須になる。そしてその力が最も身につく場所はどこなのか?といえば大学であり大学院だと思います。

ただビジネスで必要なのは、社会で起きている最先端の事象を、誰でも使えるようにしたり、再現性を確かめたりすることです。
ビジネスの現場で大好きな「脱属人化」というものですね。それをするにはやはり上で述べた3つの力がないとできないのではないかと思います。

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石倉 秀明HIDEAKI ISHIKURA

働き方に関する調査・分析・研究を行うAlternative Work Lab所長。慶應義塾大学大学院政策メディア研究科修士課程在籍。『Live News α』(フジテレビ系列)、『ABEMAヒルズ』(ABEMA)コメンテーターや『ダイヤモンド・オンライン』での連載、書籍執筆などの活動も行う。著書に『会社には行かない』『コミュ力なんていらない』『THE FORMAT』等。

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