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中小企業の倒産増……経営者のネクストキャリアを考える

2023/08/23 Wednesday
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東京商工リサーチから中小企業の倒産件数がコロナ禍に比べて増えているというニュースが出ました。

参照記事:https://news.yahoo.co.jp/articles/af4278b4b41fe542df61beb72c5372827dbc0793

内訳を見てみると、倒産のうち、約70%は「販売不振」が要因となっているので、事業として継続性が厳しかった会社が倒産しているということだと思います。

コロナ禍は緊急だったこともあり、今後の成長性などを一定無視して公的資金で援助していました。それは、やはり延命措置にはなるものの、根本的には成長性がない会社やお店からすると厳しい状況が変わらなかったということでしょう。

変化をしていくのはラクではありませんが、そして変化をするための期間は十分にありました。ある意味で、コロナ禍の数年間でDX化したり、ビジネスモデルを変えるなど、今後に向けて手を打てた会社は生き残るが、変化できなかった会社はそのまま厳しくなっているとも言えるのではないかと思います。

ただ倒産という言葉に引っ張られすぎず、いくつかの問題に分けて考えるべきです。特に法人としての会社とそこで働く人の支援は別だと考えます。

一つは従業員。経験などを活かしてより給与がもらえる同業に移っていくことが今はできるので、その移るまでの支援は失業保険などで対処は可能でしょう。

問題は経営者個人。抱えてしまっている負債があるはずだし、次に簡単な職場に移れるかと言われると従業員ほどではないはずです。だからこそ、次の仕事に向けての再教育などのサポートを積極的に行っていくインフラの整備、そして経営者自身のマインドセットの変化が大事になります。

会社はなくなってしまうかもしれませんが、それとは別に経営者個人がまた次のキャリアを築いていけるような社会をどう作るか。それができれば、万が一失敗したときのリスクも少ないので、より挑戦してみる人の増加にも繋がるのではないでしょうか。

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※この記事は、2023年8月時点の情報をもとに執筆しております。

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石倉 秀明HIDEAKI ISHIKURA

働き方に関する調査・分析・研究を行うAlternative Work Lab所長。慶應義塾大学大学院政策メディア研究科修士課程在籍。『Live News α』(フジテレビ系列)、『ABEMAヒルズ』(ABEMA)コメンテーターや『ダイヤモンド・オンライン』での連載、書籍執筆などの活動も行う。著書に『会社には行かない』『コミュ力なんていらない』『THE FORMAT』等。