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最低賃金が全国平均1000円を突破。格差は埋まっているのか!?

2023/08/02 Wednesday
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先週、いよいよ最低賃金の全国平均を1000円超えまで引き上げる方針が出ました。

参照記事:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230728/k10014145061000.html

日本は、他の国に比べて高い水準ではないですが、インフレが進んでいる中で最低賃金が上がっていくのは良いことだと思います。特に、日本はサービス業に従事する人が多く、その人たちは時給で働いてることが多いので、かなり大勢にインパクトがある点でも有効だと思います。

最低賃金を上げると一時的に経済に負荷がかかると言われていますが、全体賃金を上げていく上ではかなり有効なはずです。その証拠に、最低賃金を一気に引き上げて一時期経済が苦しかった韓国もいまでは平均年収で日本を抜くレベルに成長しています。

最近では、格差がどのくらいかを測る基準として、平均年収に対して最近賃金の割合が低いほど格差が開いていると考える指標が存在します。

この指標でみると、日本は世界でワースト2位。アメリカに次いで実は格差が大きい国なので、最低賃金のボトムアップは必要でしょう。ただ、実はこの割合は埋まってきています。それはここ十数年、平均年収や実質賃金は減ってきているので差が埋まっているのですが、全体的に下方に移動しているということなのでよくない埋まり方です。

本来であれば、中間層やトップ層の年収も増えつつ、最低賃金も上がった中で、差が埋まるのが理想です。そのためには今のように制度による賃上げに加えて、本質的には生産性向上による賃上げができないといけません。

日本は自然と働き手は減っていきます。その中で現状の売上なりを保とうとすれば、必然的に生産性を上げざるを得ませんし、結果としてそれが実現できれば個人としては収入が増えて豊かになっていくはずです。つまり、制度的な賃上げをしていきながら、生産性向上ありきの賃上げをできるだけ早く実現することこそが重要な課題であると言えるのではないかと思います。

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※この記事は、2023年8時点の情報をもとに執筆しております。

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石倉 秀明HIDEAKI ISHIKURA

働き方に関する調査・分析・研究を行うAlternative Work Lab所長。慶應義塾大学大学院政策メディア研究科修士課程在籍。『Live News α』(フジテレビ系列)、『ABEMAヒルズ』(ABEMA)コメンテーターや『ダイヤモンド・オンライン』での連載、書籍執筆などの活動も行う。著書に『会社には行かない』『コミュ力なんていらない』『THE FORMAT』等。

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