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求人するときは要注意!知らぬ間に法律違反を犯しがちな労働に関する法律

2022/10/05 Wednesday
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2022年10月1日より職業安定法、略して職安法が改正されました。この改正により、求人をする会社、求人情報を扱う会社(求人メディアや人材紹介会社等)は情報の適切な表示が義務付けられるようになりました。

詳細はこちら:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000172497_00003.html

実は労働や募集に関して法律で禁止されていることは明確に決まっているのですが、多くの企業は専門ではないためなかなか全てを理解するのが難しいのが現状です。その結果、知らぬ間に法律違反を犯したり、求職者からクレームを受け、トラブルに発展しないとも限りません。

いくつかの例を提示します。

採用したいAさんがいた場合、その人が前職でどうだったのか確認したくなります。そうすると前職の会社に対して、Aさんの働きぶりを確認する、いわゆる「リファレンスチェック」を行う会社も少なくありません。ただ、実はこのリファレンスチェックは求職者(ここではAさん)の許可なく行うことは違法です。職業安定法にも「求職者の個人情報をみだりに第三者に提供してはいけない」と記載があり、これに抵触します。

それ以外にも、年齢や性別によって合否を決めてはいけないこと、婚姻歴や配偶者の有無、子供の有無、家族構成などを聞くことはいけないことだと知っている人は多いですが、住所や住んでいる地域、生まれた地域などを聞くこともいけないことになっています。(部落差別などを防ぐためと言われています)

またBさんに対して、面接時に「私は一緒に働きたいと思っています」と軽率に言ったとします。実はこれを言ってしまった段階で「内定通知」になってしまう可能性があり、そう認定された場合はBさんを雇用する義務が生じます。
これが業務委託の場合であっても、もし口頭で「いつから業務をお願いしたい。条件はこれで〜」など、契約条件の交渉や業務開始日などを伝えた場合は、契約が成立すると判断される場合があります。

このように採用や労働に関しては厳密な法律があり、やってはいけないことが決まっています。それを知らないばかりにトラブルに発展したり、会社の評判を落としたり、金銭的リスクが発生します。
採用活動を始め、誰かを雇用したり、業務委託契約を行う可能性がある場合はぜひ一度関連する法律をチェックするか、少なくとも弁護士や社労士に確認の上、NG事項を抑えておく必要があるでしょう。

また、求人原稿を書く際に法律に触れる表現について、詳しくはこちらにもまとめてあります。ぜひご覧ください。

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石倉 秀明HIDEAKI ISHIKURA

働き方に関する調査・分析・研究を行うAlternative Work Lab所長。慶應義塾大学大学院政策メディア研究科修士課程在籍。『Live News α』(フジテレビ系列)、『ABEMAヒルズ』(ABEMA)コメンテーターや『ダイヤモンド・オンライン』での連載、書籍執筆などの活動も行う。著書に『会社には行かない』『コミュ力なんていらない』『THE FORMAT』等。

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