私事で恐縮ですが、先日拙著「THE FORMAT」に関して、インタビューを受けた記事が出ました。
参照記事:https://agend.jp/media/the-format-ishikura/
この取材は「THE FORMAT」に関するものだったのですが、インタビュアーから「フォーマット作るのもそれに沿って書き続けるのもなかなか続かないじゃないですか。なんでそれをやり続けられたんですか?」と質問を受けました。
それに対する私の回答は「みんながなかなか続かないからこそ、続けるだけで差になるんです。僕はそういう『続けるだけで勝てるもの』は積極的にやるようにしてます」と答えたものが記事になりました。
これは私が常に考えていることで、思考の癖にもなっていることなのですが、続けるだけで他の人と差がつくこと、他の会社や事業に対して優位に立てることを見つけてそれを徹底的にやり続けることにしています。
これは事業責任者をしていたときもそうですし、営業やマーケティングをしているときも、経営でも同じです。
ただ、もう少し踏み込んで「やり続けること」を見極める基準は何なのか、考えてみようと思います。
自分の過去のパターンを振り返ってみると、条件が2つありました。
1つはめんどくさいと感じたこと。そして2つ目はやり続けるのに特別な経験やスキルを必要としないこと。この2つに集約されます。
私は人間の中で行動を阻む最大の理由は「めんどくさい」だと思っています。
なんだかんだ論理的な理由をつけるけれど、本音はめんどくさいからやらないことがほとんどなのではないかと思います。
自分がめんどくさいと思ったらきっと他人もめんどくさいはず。
なので、めんどくさいと感じたことこそとりあえずやってみる、そしてやり続けてみることにしています。
仕事の場面でドキュメントにすべて残す、フォーマットにする、などはまさにその例です。
私だって本心は話した方が早いと思うことはあります。
それでもドキュメント化を続けることで中長期的なアドバンテージがあるのであれば続けます。うまくなくていいので、続けることを目的としています。(続けていけば自然とうまくなっていくのですが)
ドキュメントに残すことは、まさに2つ目の特徴も捉えています。
何かをやる時に特別なスキルや経験がないとできないようでは、なかなか継続のハードルが上がってしまいます。だからこそ、スキルや経験は特別なものはなくてもなんとか成立するものであることが大事だと思っています。
私の本の書評で「ビジネスパーソンにとって普通のことしか書いてない」というレビューがありました。
この方はマイナスの意味で書いたのだと思うのですが、まさにTHE FORMATには普通のことしか書いていませんし、その通りなのです。
でもその基本的なことをやり続けて、フォーマットを作っていたらそれが本になっているわけで、それくらい、基本的なことなのにみんなやってないし、やり続けないからこそ貴重なものとして書籍化が実現しています。
その事実だけ考えても、基本的なこと、難しくないことをやり続けることはやはり大きな差を生むのだと思います。
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※この記事は、2023年3月時点の情報をもとに執筆しております。
石倉 秀明HIDEAKI ISHIKURA
働き方に関する調査・分析・研究を行うAlternative Work Lab所長。慶應義塾大学大学院政策メディア研究科修士課程在籍。『Live News α』(フジテレビ系列)、『ABEMAヒルズ』(ABEMA)コメンテーターや『ダイヤモンド・オンライン』での連載、書籍執筆などの活動も行う。著書に『会社には行かない』『コミュ力なんていらない』『THE FORMAT』等。