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航空機燃料不足問題は日本の課題の縮図

2024/06/19 Wednesday
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航空機の燃料不足に対応するために、タスクフォースが結成されました。

参照記事:https://www.yomiuri.co.jp/economy/20240618-OYT1T50198/

航空機の燃料不足はあくまで単体の問題ではなく、構造的な問題です。具体的にいうと、省エネによる需要減少や施設の老朽化などで、石油元売り会社は製油所の統廃合を進めてきました。

製油所が統廃合されて少なくなったので、燃料を運ぶ船は長距離移動になり、稼働が逼迫。また、ドライバーの人手不足や残業時間の規制により、内陸部で空港に燃料を運ぶ人も不足します。結果として、燃料は常に不足していく、という構図です。

つまり個社がそれぞれ最適な選択をした結果、構造的にどんどん苦しくなっているということです。短期的にはタスクフォースを通じて対策していくしかないのだと思いますが、ただ、これを抜本的に解決するには、やはり需要が増え続ける状態を作るしかない。

シンプルに言えば、景気がよくなり続けていく、人口が増えていく状態を取り戻せるかということです。企業は景気がよくなり続けたり、市場にニーズがあると思えば投資します。

そうならないのは、いますでに需要が減っており、これからも減り続けていくと思っているからといえます。そう考えると、今回の問題は人口減少は、景気低迷というのはあらゆる産業のあらゆる場面に問題を引き起こしていくという、典型的な例なのかもしれません。

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※この記事は、2024年6月時点の情報をもとに執筆しております。

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石倉 秀明HIDEAKI ISHIKURA

働き方に関する調査・分析・研究を行うAlternative Work Lab所長。慶應義塾大学大学院政策メディア研究科修士課程在籍。『Live News α』(フジテレビ系列)、『ABEMAヒルズ』(ABEMA)コメンテーターや『ダイヤモンド・オンライン』での連載、書籍執筆などの活動も行う。著書に『会社には行かない』『コミュ力なんていらない』『THE FORMAT』等。