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今年に入り、出社回帰と言われる方針に舵を切る企業は少なくないように見えます。
先日はカルビーでも似たような動きがありました。
参照記事:https://www.businessinsider.jp/article/2506-calbee-hybridwork-strategy/#
カルビーの場合は、ハイブリッド(出社とリモートワーク併用)が推奨されていますが、このような動きは今後も続いていく可能性があります。しかし、少し立ち止まって考えてみましょう。
出社するメリットとして、チーム内でのコミュニケーションの活発化と、それによるチームでの成果の最大化が多くの場合あげられます。ただ、この対面コミュニケーションの効果が実証されている研究は、実は少ないのです。
とある研究では、クリエイティブで思考力が必要な仕事ほど、コミュニケーションは少なすぎても、多すぎてもダメという結果が出ています。この要因として大きいのは、「1人の時間が重要」ということになります。
それ以外にも、高い認知スキルを必要とする知的労働ほど「集まることの効果は見られにくい」という研究の方が実は多かったりします。つまり、出社回帰のために経営者が使う理由は、研究の視点から見ると効果がないということなのです。しかし、人事施策というのは、役職者の考え方や価値観で決まることが多いのも事実です。つまりデータやエビデンスはほぼ活用されていません。
これからはこういった研究や、データを活用して働き方も最適化していく会社が出てくるのか、しばらくは今のような状態が続くのかは気になるところです。
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※この記事は、2025年6月時点の情報をもとに執筆しております。

石倉 秀明HIDEAKI ISHIKURA
働き方に関する調査・分析・研究を行うAlternative Work Lab所長。慶應義塾大学大学院政策メディア研究科修士課程在籍。『Live News α』(フジテレビ系列)、『ABEMAヒルズ』(ABEMA)コメンテーターや『ダイヤモンド・オンライン』での連載、書籍執筆などの活動も行う。著書に『会社には行かない』『コミュ力なんていらない』『THE FORMAT』等。
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